競馬の深淵

【ファンタジーステークス2025】直前注目馬５頭を徹底分析

11月1日（土）京都競馬場で行われる＜ファンタジーステークス（GⅢ・芝1400m）＞。2歳牝馬による秋の短距離決戦は、後の阪神ジュベナイルフィリーズ（GⅠ）へ直結する重要な一戦だ。ここでは、調教内容・血統背景・レース適性の三拍子から見た直前注目馬５頭をピックアップする。

◆フェスティバルヒル　― 完成度の高さが光る実戦派

デビュー戦を好位抜け出しの正攻法で制したセンス抜群の一頭。追って味があるタイプではないが、道中の立ち回りの上手さとフォームの安定感は世代上位。最終追い切りでは終始手応え十分で、ラスト1F11秒台をマーク。調整過程も万全で、舞台適性を考慮すれば勝ち負けの圏内だ。

◆ブラックチャリス　― 末脚特化型、展開ハマれば一撃

デビュー戦は後方一気の差し切り勝ち。上がり33秒台の鋭い末脚はこのメンバーでも屈指の存在だ。京都の長い直線を活かせる展開になれば、直線で突き抜けるシーンも十分。折り合いが鍵となるが、気性が落ち着けば上位争い必至。人気以上の激走に警戒したい。

◆メイショウハッケイ　― 地力勝負なら台頭十分

続く未勝利戦ではペースを読み切った見事な勝利。自在性と持続力の高さが武器で、今回も中段から自分のペースに持ち込めれば差してくる筈だ。最終追いでは坂路で負荷をかけ、状態面はピーク。馬場悪化で余程の前残りにならない限り今回も大きく崩れる事はないだろう。

◆ショウナンカリス　― 京都替わりで真価発揮

前走の敗戦は距離と馬場が噛み合わなかった印象。1400mへの距離短縮は明確なプラスで、軽い京都の芝なら切れ味を最大限に引き出せる。調教でも動きに柔らかさが戻り、心身ともに充実期。内枠を引けば一変もあり得る伏兵だ。

◆アンヘリータス　― 素質秘める未知数の一頭

キャリアは浅いが、レースぶりにはスケール感を感じさせる。まだ荒削りな面を残すものの、前進気勢が強く、持ち時計的にも上位クラス。今回のメンバー相手にどこまで通用するかが見どころだ。人気薄でも押さえておきたい“成長途上の大器”といえる。

◆展開予想とまとめ

メイショウハッケイ、フェスティバルヒルの先行勢が主導権争いを演じ、やや速めの流れが想定される。差し・追込み勢に展開が向く可能性もあり、ブラックチャリスの末脚が炸裂するシーンも。馬場が良なら前有利、稍重なら差し有利と、天候次第で勢力図が変わる難解な一戦だ。

今年のファンタジーステークス2025は、将来のスター候補が揃った注目のレース。牝馬クラシックへと繋がる前哨戦を、じっくりと見届けたい。